レスラーノート

シャドウWX

本名:志賀悟
1969年6月11日
新潟県十日町市出身
180cm 115kg
通称
平成の放火王
タイトル歴
BJWタッグ
BJWデスマッチヘビー
得意技
旋回式垂直落下ブレーンバスター
ラリアット

95年11月12日、IWAジャパンの後楽園ホール大会での平野勝美戦でデビュー。 96年2月、中牧昭二に誘われて大日本プロレスに入団。ミスター・ポーゴと組んで活躍。 98年3月4日、シャドウ・ウィンガーと組んでBJWタッグ王座を獲得。9月23日、大日本プロレスの後楽園ホール大会でBJWデスマッチヘビー級王座を獲得。以後、デスマッチで活躍。

2001

01年8月19日、横浜文化体育館大会で沼澤直樹と対戦。3分38秒、ラクダ固めで勝利。8月25日、後楽園ホール大会で金村キンタローと蛍光灯デスマッチ。13分40秒、サンダーファイアー・パワーボムに敗れた。8月26日、レックスジャパンの鶴見緑地花博記念公園水の館付属展示場大会でファンタスティックと対戦。6分48秒、キャメルクラッチで勝利。9月2日、川崎市体育館大会で大作と対戦。4分14秒、ラリアットで勝利。9月12日、南淡町文化体育館大会で沼澤直樹と対戦。6分42秒、逆エビ固めで勝利。9月13日、海峡メッセ下関展示見本市会場大会で伊東竜二と対戦。8分52秒、逆エビ固めで勝利。9月15日、博多スターレーン大会でMEN’Sテイオーと対戦。10分時間切れ引き分け。9月16日、西海町民体育館大会でファンタスティックと対戦。9分37秒、WXロックで勝利。9月17日、大分県立荷揚町体育館大会でニック・ゲージと対戦。7分51秒、イスの上へのブレーンバスターで勝利。9月20日、大原総合体育館大会で沼澤直樹と対戦。7分2秒、逆片エビ固めで勝利。10月23日、矢本町民体育館大会で伊東竜二と対戦。10分1秒、WXロックで勝利。12月2日、横浜アリーナ大会で非道とバーブドワイヤーボードデスマッチ。13分25秒、蛍光灯の上へのフェイスバスターに敗れた。

2002

02年2月5日、千葉公園体育館大会でジ・ウインガーとバーブドワイヤーボードデスマッチ。16分7秒、有刺鉄線ボードの上へのブレーンバスターで勝利。2月23日、市原臨海体育館大会で谷口裕一と対戦。7分12秒、ラリアットで勝利。2月25日、行田市民体育館大会でファンタスティックと対戦。11分28秒、WXロックで勝利。2月28日、ひたちなか市松戸体育館サブアリーナ大会で谷口裕一と対戦。12分2秒、WXロックで勝利。3月1日、アクトシティ浜松大会でファンタスティックと対戦。10分11秒、WXロックで勝利。3月3日、横浜文化体育館大会でアブドーラ小林とバーブドワイヤーボード&ストラップデスマッチ。13分58秒、元祖コバドライバーに敗れた。3月8日、後楽園ホール大会で山川竜司とソルティーバーブドワイヤーボードデスマッチ。10分時間切れ引き分け。4月28日、札幌テイセンホール大会でワールド・エクストリーム・カップのBブロック予選リーグに参戦し、非道とファン持ちこみ蛍光灯デスマッチ。2分58秒、無効試合。4月29日、札幌テイセンホール大会で非道と再戦。15分7秒、垂直落下式ブレーンバスターで勝利。5月1日、函館市民体育館大会でのリーグ戦で2・タフ・トニーとバーブドワイヤーボードデスマッチ。13分34秒、ボードの上へのトニードライバーに敗れた。5月6日、新川崎駅小倉陸橋下広場大会でのリーグ戦でホミサイドとバーブドワイヤーボードデスマッチ。12分41秒、シャイニングウィザードに敗れた。リーグ戦は1勝2敗に終わった。7月19日、伊東青果市場大会で山川征二と組んでMEN’Sテイオー、関本大介組のBJWタッグ王座に挑戦。20分35秒、テイオーのテイオーロックに山川が敗れた。7月26日、八王子市民会館大会で井上勝正と対戦。8分6秒、逆エビ固めで勝利。7月28日、ハイパーマート長野若里店屋上駐車場大会で谷口裕一と対戦。11分10秒、WXロックで勝利。8月4日、後楽園ホール大会でのワールド・エクストリーム・カップ決勝トーナメント1回戦でマッドマン・ポンドと蛍光灯デスマッチ。11分27秒、蛍光灯ごとビッグブーツで勝利。8月9日、名古屋市体育館大会での準決勝で金村キンタローと対戦。10分37秒、横入り式エビ固めにフォール負け。8月15日、姫路みなとドーム大会でホミサイドと対戦。9分52秒、垂直落下式ブレーンバスターで勝利。9月1日、新川崎駅小倉陸橋下広場大会で山川竜司と蛍光灯デスマッチ。17分6秒、垂直落下式ブレーンバスターで勝利。9月15日、博多スターレーン大会で2・タフ・トニーと対戦。8分38秒、垂直落下式ブレーンバスターで勝利。9月17日、興南会館大会で下田大作と対戦。10分10秒、垂直落下式ブレーンバスターで勝利。10月6日、府中競馬場正門前駅横普門寺特設リング大会でマッドマン・ポンドとバーブドワイヤーボードデスマッチ。11分25秒、バーブドワイヤーボードの上への雪崩式ブレーンバスターで勝利。10月8日から始まった最侠タッグリーグ戦にジ・ウインガーと組んで参戦。10月13日、札幌テイセンホール大会で松崎番長と対戦。9分31秒、首固めでフォール勝ち。10月19日、北見東地区市民トレーニングセンター大会で2・タフ・トニーと対戦。12分2秒、マッドマン・ポンドの乱入により反則勝ち。3勝1敗でリーグ戦を突破。10月27日、川崎競馬場大会でO.D.D.と対戦。10分33秒、キングコング・ニードロップに敗れた。10月31日、横浜赤レンガ倉庫大会での準決勝でO.D.D.、ホミサイド組と対戦。11分34秒、O.D.D.のキングコング・ニードロップにウインガーが敗れた。12月6日、後楽園ホール大会でgosakuとバーブドワイヤーボードデスマッチ。14分5秒、垂直落下式ブレーンバスターで勝利。12月7日、白河市中央体育館大会で谷口裕一と対戦。8分56秒、回転エビ固めでフォール勝ち。12月8日、郡山市南東北総合卸センター大会で井上勝正と対戦。10分13秒、垂直落下式ブレーンバスターで勝利。12月14日、ポートメッセなごや大会で谷口裕一と対戦。11分12秒、WXロックで勝利。

2003

03年1月2日、後楽園ホール大会のメインでアブドーラ小林と画鋲20000個デスマッチ。13分31秒、コバドライバーに敗れた。1月19日、新川崎駅小倉陸橋下広場大会でgosakuと対戦。10分23秒、垂直落下式ブレーンバスターで勝利。1月26日、大熊町第二体育館大会で谷口裕一と対戦。11分17秒、WXロックで勝利。2月28日、ツインメッセ静岡大会でアブドーラ小林と蛍光灯持込デスマッチ。11分58秒、蛍光灯キックで勝利。3月2日、名古屋市体育館大会でgosakuと対戦。11分31秒、ウインガーが乱入して反則負け。3月23日、鶴見緑地花博記念公園大会でマッドマン・ポンドと組んで大黒坊弁慶、アブドーラ小林組を相手にWEWハードコアタッグ王座決定戦。18分6秒、小林のトラックの上からのダイビング・エルボードロップにポンドが敗れた。3月27日、長野運動公園総合体育館大会でgosakuと対戦。8分33秒、WXロックで勝利。3月30日、横浜文化体育館大会のメインで金村キンタローを相手に蛍光灯&ガラスデスマッチでBJWデスマッチヘビー級王座決定戦。12分40秒、サンダーファイアー・パワーボムに敗れた。4月29日、WEWのディファ有明大会で五所川原吾作とライトアウト蛍光灯デスマッチ。10分17秒、垂直落下式ブレーンバスターで勝利。5月2日、釧路桜ヶ岡青雲台体育館大会で伊東竜二と対戦。11分2秒、垂直落下式ブレーンバスターで勝利。5月4日、札幌テイセンホール大会でマイク・サンプラスとハードコアマッチ。13分35秒、クリップラー・フェイスロックwithバーブドワイヤーで勝利。5月9日、富岡町総合体育館大会で谷口裕一と対戦。9分15秒、クリップラー・フェイスロックで勝利。8月10日、後楽園ホール大会で伊東竜ニとバーブドワイヤーボード&両者凶器持込みデスマッチでデスマッチ王座挑戦者決定戦。15分40秒、ドラゴンキッカーwithスパイダーネットに敗れた。10月7日、宇和島市営闘牛場大会でタナカジュンジと対戦。10分51秒、垂直落下式ブレーンバスターで勝利。9月28日から始まった最侠タッグリーグ戦にマッドマン・ポンドと組んで参戦。10月25日、札幌テイセンホール大会で伊東竜二と蛍光灯200本デスマッチ。18分10秒、蛍光灯の上への垂直落下式ブレーンバスターで勝利。タッグリーグ戦は1勝3敗に終わった。11月8日、後楽園ホール大会で沼澤邪鬼とハードコアマッチ。12分3秒、イスの上への垂直落下式ブレーンバスターで勝利。

2004

04年1月4日、大阪・デルフィンアリーナ大会で沼澤邪鬼と対戦。10分40秒、垂直落下式ブレーンバスターで勝利。3月28日、山陽スポーツ協会体育館大会で下田大作と対戦。10分1秒、垂直落下式ブレーンバスターで勝利。5月7日、旭川大成市民センター体育館大会で谷口裕一と対戦。8分51秒、クリップラー・フェイスロックで勝利。5月11日、八戸市体育館大会でマイク・サンプラスと対戦。10分25秒、ラリアットに敗れた。5月23日、ツインメッセ静岡大会でアブドーラ小林とバーブドワイヤーボードデスマッチ。11分54秒、有刺鉄線ボードの上への垂直落下式ブレーンバスターで勝利。8月7日、船引町営体育館大会でgosakuと対戦。12分27秒、垂直落下式ブレーンバスターで勝利。8月9日、湯川村体育館大会で井上勝正と対戦。10分16秒、逆エビ固めで勝利。8月15日、川崎市体育館大会でMASADAと対戦。9分32秒、垂直落下式ブレーンバスターで勝利。9月5日、北沢タウンホール大会での大日本一決定トーナメント1回戦で井上勝正と対戦。9分8秒、レフリー暴行で反則負け。12月12日、JR稲沢駅前大会でネクロ・ブッチャーと対戦。10分43秒、垂直落下式ブレーンバスターで勝利。12月18日、横浜文化体育館大会で関本大介とハードコアマッチ。14分31秒、垂直落下式ブレーンバスターで勝利。

2005

05年2月22日、後楽園ホール大会でMIYAWAKIとハードコアマッチ。7分22秒、垂直落下式ブレーンバスターで勝利。3月19日、北の京芦別お祭り広場大会で井上勝正と対戦。8分38秒、垂直落下式ブレーンバスターで勝利。3月21日、北の京芦別お祭り広場大会で沼澤邪鬼と対戦。7分45秒、垂直落下式ブレーンバスターで勝利。3月28日、後楽園ホール大会でネクロ・ブッチャーとストリートファイトマッチ。11分40秒、ラリアットで勝利。3月31日、鶴見緑地花博記念公園水の館付属展示場大会で沼澤邪鬼と凶器持込デスマッチ(沼澤邪鬼デスマッチ七番勝負第3戦)。12分38秒、垂直落下式ブレーンバスターで勝利。4月9日、愛知・蟹江町体育館大会でネクロ・ブッチャーと対戦。7分52秒、クロス・フェイスロックで勝利。6月22日、北茨城市民体育館大会で豹魔と対戦。8分48秒、垂直落下式ブレーンバスターで勝利。10月10日、大阪城ホール内西倉庫大会で塩田英樹と対戦。7分4秒、垂直落下式ブレーンバスターで勝利。その後、マンモス佐々木と「チームあんこ型」を結成。

2006

06年1月27日、川崎市体育館大会でマンモス佐々木と組んでアブドーラ小林、関本大介組のBJWタッグ王座に挑戦。15分40秒、シャドウWXが垂直落下式ブレーンバスターで関本に勝利。BJWタッグ王座を獲得した。2月27日、後楽園ホール大会で金村キンタロー、アジアン・クーガー組を相手にタッグ王座の防衛戦。14分38秒、シャドウWXが垂直落下式ブレーンバスターでクーガーに勝利。3月31日、後楽園ホール大会で井上勝正、近藤博之組を相手にタッグ王座の防衛戦。14分10秒、佐々木がイスの上への29歳で井上に勝利。9月10日、横浜文化体育館大会でMEN’Sテイオー、怨霊組を相手にタッグ王座の防衛戦。16分43秒、佐々木が29歳で怨霊に勝利。11月12日、埼玉・桂スタジオ大会で大黒坊弁慶、谷口裕一組を相手にタッグ王座の防衛戦。14分45秒、佐々木が29歳で谷口に勝利。12月3日、横浜文化体育館大会で関本大介、佐々木義人組を相手にタッグ王座の防衛戦。14分32秒、関本のジャーマンスープレックスにシャドウWXが敗れて王座転落。

2007

07年7月22日、博多スターレーン大会で今井計と対戦。8分1秒、垂直落下式ブレーンバスターで勝利。10月28日、札幌テイセンホール大会でMASADAとハードコアマッチ。16分57秒、ラリアットで勝利。11月11日、埼玉・桂スタジオ大会で宮本裕向と月光闇討ち蛍光灯デスマッチ(宮本裕向ヤンキー七番勝負第6戦)。15分20秒、光る蛍光灯の上への垂直落下式ブレーンバスターで勝利。11月19日、石川・もてなしドーム地下広場大会でMASADAと対戦。12分26秒、垂直落下式ブレーンバスターで勝利。

2008

08年1月5日、ビッグバン・クラッシュのディファ有明大会で保坂秀樹と対戦。9分12秒、垂直落下式ブレーンバスター2連発で勝利。2月22日、アパッチプロレスの新木場1stRING大会でKAZMAと組んでGENTARO、ジ・ウインガー組のWEWタッグ王座に挑戦。30分時間切れ引き分け。3月24日、後楽園ホール大会で宮本裕向と月光暗闇蛍光灯ボード+αデスマッチでデスマッチ王座挑戦者決定戦。17分23秒、ラリアットで勝利。5月4日、桂スタジオ大会で伊東竜二の王座に蛍光灯ボード&凶器持込デスマッチで挑戦。20分43秒、旋回式垂直落下ブレーンバスターで勝利。デスマッチヘビー級王座を獲得した。7月13日、大日本プロレスの横浜文化体育館大会で葛西純を相手にケージ&蛍光灯ボード&激辛スパイスデスマッチで防衛戦。18分47秒、垂直落下式ブレーンバスターwithデスソースで勝利。8月10日、鶴見緑地花博記念公園水の館付属展示場大会でアブドーラ小林を相手にノーロープ有刺鉄線ファイアーデスマッチwithファイアーボードで防衛戦。17分39秒、ラリアットwithチェアで勝利。11月3日、岩手県営体育館での大日本プロレスとエルドラドの合同興行で佐々木貴を相手に防衛戦。18分28秒、ラリアットで勝利。12月19日、横浜文化体育館大会のメインで宮本裕向を相手に有刺鉄線爆破ボードデスマッチで防衛戦。17分21秒、ムーンサルトプレスwith蛍光灯に敗れて王座転落。

2013〜2015

13年10月1日の新木場大会を最後に負傷のため欠場。その後、病気が発覚し、治療に専念した。 15年から大日本プロレスと選手契約を結ばずにフリーに転向。

2019〜

19年12月13日、新木場1stRINGでのMLWの旗揚げ戦で復帰戦を行い、ネクロ・ブッチャーと有刺鉄線ボード+レモン&マスタードデスマッチ。21分18秒、垂直落下式ブレーンバスターで勝利。12月15日、MLWの花博記念公園鶴見緑地ハナミズキホール大会でネクロ・ブッチャーとノーロープ有刺鉄線レモン&サロメチールデスマッチ。9分55秒、有刺鉄線式クリップラー・フェイスロックで勝利。



スクラップブック
“放火王”シャドウWX がん克服し新団体「MLW」旗揚げ
(東スポWEB 2019年9月10日18時31分より)
“平成の放火王”の異名を取り、大日本プロレスなどで活躍した伝説のデスマッチファイター・シャドウWX(50=本名・志賀悟)が10日、甲状腺がんなど複数の大病を克服したことを告白。約6年ぶりに奇跡の復活を果たし、新団体「MLW(メジャー・リーガーズ・レスリング)」を旗揚げすることを発表した。

 WXは1995年にIWAジャパンで25歳にしてデビュー。99年から大日本を主戦場とした。極悪大王こと故ミスター・ポーゴさん(享年66)をボスと仰ぎ、大日本のデスマッチ創世期を支えた。場所・時間・相手を問わずファイヤー噴射で周囲を恐怖のどん底に叩き落とした凶悪男で、BJW認定デスマッチヘビー級王者となった2002年2月28日の後楽園ホール大会のすさまじい放火行為により、以後は同会場が「火炎禁止」となった伝説を持つ。

 しかし、13年10月1日の大日本新木場大会を最後に負傷のため欠場。当初は右ヒザ後十字靱帯損傷によるものとされていたが、急激なめまいに悩まされていることを整形外科の医師に告げると「ヒザよりも総合病院の内科で至急診断を受けてください」と告げられた。忠告通りに有名大学付属の総合病院で診断を受けると、信じられない結果が待っていた。「脳梗塞、バセドー病、心房細胞のけいれん、そして甲状腺がんを患っているとのことでした。信じられなかった。後で分かったのですが、自分はがんを患ったまま3〜4年間試合をしていたんです・・・」そのため、14年1月には全甲状腺摘出の手術を受けた。さらには心臓のカテーテル手術、バセドー病の手術と同年だけで実に4回の手術と入院を強いられた。大日本は同年いっぱいで退社。そもそもプロレスどころではなかった。ひたすら生きることだけに必死になっていた。

 その結果、がんは奇跡的に克服。年2回の検診を続けているが「最悪の時期は過ぎたという実感がある。体を動かせるようになったし、雨の日も雪の日も小1時間のウオーキングを欠かさず続けています」というほどに回復した。バセドー病や脳梗塞の後遺症もみられないという。闘病生活の間、何百回と電話をくれたのが、グレート小鹿大日本プロレス会長(77)だ。「小鹿さんは病院を紹介してくれたり、励ましてくれたりと、僕を気遣ってくれた。でも生きるのに必死で、電話に出るだけの余裕がなかった。本当に申し訳ありませんでした。この場をお借りして、小鹿さんには深くおわび申し上げます」とWXは神妙な表情で語った。

 リング上では極悪の限りを尽くす放火王も、いったんペイントを落とせばマット界でも希有な温厚な性格かつ常識人として知られる。ゆっくりと回復に向かう間、ようやくプロレスに向かい合う余裕ができると、その人柄を見込んだスポンサー(株式会社レジット)もついて新団体設立に至り、旗揚げ2連戦(12月13日の新木場、同15日の大阪・鶴見緑地ハナミズキホール)が決まった。

「6年ぶりにたった一人で復帰する。MLWのMはマイナーでもよかったんですが、あえてメジャーという言葉を使って前向きにしました。復帰戦はシングル戦のデスマッチにします。病気を克服して体を大きく戻した今の自分(180センチ、125キロ)よりデカい相手と戦いたい。狙っている相手もいます」

 年間4〜5回の大会開催を目標に掲げ、ポーゴさん亡き後、使い手のいなくなったビッグファイヤー噴射を継承するという。「平成元年に大仁田(厚)さんがFMWを旗揚げされて、令和元年に自分が復帰する。何か不思議な気持ちです。でも試合になったら、人格は変わりますから(笑い)」とWX。がんを撃退した伝説のデスマッチファイターは“令和の放火王”に変身を遂げる。